初めて聞いた音IIあの夏の続き

プロローグ

楽しいはずだった。

ずっと。

このままみんなで笑っていられると思ってた。

なのに。

どうして?

どうして、こんなことになったの?

悠は。

信先輩は。

美月先輩は。

みんなは。

私は。

どうすれば良かったの?

頭の中で、いくつもの声が重なっていく。

『すー、初めて会った時からやで。』

悠の声。

やめて。

『わりぃー。俺、お前を……』

信先輩の声。

その先を聞きたくない。

「どうして……。」

胸が苦しい。

「聞きたくない。」

耳を塞ぐ。

「言わないで……。」

それでも。

声は消えてくれない。

「やめて!」

また、別の声が聞こえる。

『なんでギターなんか弾いてるの!』

『知ったような口聞かないでよ!』

「……っ。」

なんで?

私はただ。

あの音を、もう一度聴きたかっただけなのに。

ただ、ギターを弾きたかっただけなのに。

みんなと一緒に。

音楽をやりたかっただけなのに。

どうして。

こんなに苦しいんだろう。

色んな言葉が。

色んな気持ちが。

音みたいに重なって。

ぐちゃぐちゃになって。

もう。

何が正しいのか分からない。

それでも。

あの日、初めて聞いた音だけは。

今もずっと。

私の中で鳴り続けている。