私と海と電話

 夏休みが終わった。


 学校が始まる。


 でも。


 想は、以前より少し静かになっていた。


「想」


「ん?」


「今日、電話する?」


「……今日はやめとく」


「そっか」


 叶愛は笑った。


 でも、胸の中は寂しかった。


 次の日も。


「今日も電話する?」


「ごめん」


 その次の日も。


「今日は無理」


 叶愛はだんだん不安になった。


 ――嫌われたのかな。


 でも想には理由があった。


 夏休みに毎日のように電話して。


 海で二人きりになった時間があって。


 自分の気持ちが、どんどん大きくなっていた。


 だからこそ。


 少し距離を置こうと思った。


 でも、それが叶愛を傷つけているとは知らなかった。