男女に友情は存在しない。





到着する直前に「引越し終わったよ」と梨華からLINEが来ていた。






『今から向かってるから待ってて』

「はーい」






梨華に対しても申し訳なかった。

どんな顔をして会えばいいか、わからなくて…




けど、考えてる暇がないくらいすぐに着いて梨華は部屋で待ってくれていた。






『ありがとう』と言うと「太陽くん、大丈夫だった?」と梨華も心配してくれていた。




今は思い出したくもない。

あの、看護婦の背中と太陽の横顔。





鮮明に残ってて、発狂したいくらい。




でも、そんな事言えるはずもなくて…「大丈夫そう」と伝えるしかなかった。





それ以上、太陽のことを話すが嫌で…





『なんか、ご飯食べる?手伝ってくれたから奢るよ』

「やった!じゃ、高いやつ食べようかな」

『何でもいいよ』






ここら辺はまだ土地勘がないから、梨華が調べてくれて近くのカフェに行った。



カフェだけど、ご飯もちゃんと食べられるみたいで…

でも、私はあんまり食欲がなくて、飲み物だけ頼んだ。






「梨紗が珍しいね」

『梨華はたくさん食べて』

「いただきますー!」






正直、家を出るまではそんなに仲良くなくて…生活に支障がない程度に会話をするくらい。






たまに大喧嘩をしてママに止められる事もあった。

喧嘩なんて、今思えばくだらなすぎて笑える理由。






あの時は必死だった私たち。





けど、私が家を出てからは実家に帰るたびにそばに来て永遠に話したり、ごくたまに2人で出かけることも…




今では、なんだかんだ可愛い妹。



 


「私たちも大人になったね」と言われてつい笑った。




『そうだね』

「お姉ちゃん、ごちそうさま〜」





お金を払ってあげるときだけ「お姉ちゃん」と呼ぶこの感じやめてほしい。





『やめろ』

「いいじゃん、お姉ちゃんなんだから」

『気持ち悪い』






梨華と話して少し気持ちが楽になったかも。

ありがとう、梨華。





私は梨華を駅まで送って、家に帰った。