男女に友情は存在しない。






少し経った頃、看護婦さんは部屋を出てきた。





私の存在は気づいていない様子。




けど、衝撃なことに…さっき、太陽が病室にいない事に焦って『松永ってどこ行ったかわかりますか?』と聞いた看護婦さんだった。




怖い。

女ってほんと怖い。





誰も信用できない。





太陽でさえ、今は何をしたいかわからない。

助けようと思った私の気持ちは何だったんだろう。






私は、泣きたい気持ちもおったけど…怒りの気持ちもあって、太陽の部屋に戻った。





「遅かったな」




太陽はそう言った。



遅かった?

あんた達のことを待っていた私の身にもなってくれよ。






『帰る、私のカバンどこ?』

「そこ」





察したのかな。

太陽は、帰る私を止めることなく何も言わなかった。




察するべきだね。

そうやって遊んできた罰が当たればいい。




虚しいことに太陽のことが頭から離れないけど…私は、病院を後にして引っ越しの現場となっているお家に行くことにした。






ここから、駅まで徒歩で15分。

電車で1時間。





気を抜いたら泣きそうで、自分が自分でいられなくなる気がして…怖かった。





あんだけ心配したのは何だったんだろう。

全ての時間を返して欲しい。





太陽に対して、こんな怒りが芽生えたことはない。




もちろん、友達も10年もしていたら口喧嘩程度の衝突はあったとしても、この怒りとは種類が違った。




何で、私がこんな思いをしなきゃいけないんだろう。




もう悲しくて、でも、ここでは泣けないから…必死に自分を保って今日から私の住居になる家に向かった。