男女に友情は存在しない。






私が少しずつ落ち着いて来た頃に沙良は私を抱きしめられたまま言った。





「太陽はそんな心の狭いやつじゃない」





私もそう思う。

けど、自分のやってしまったことが許せない。





そう言った。






「それは、梨紗が望んでたことじゃないでしょ」

『そうだけど…』





その言葉が救われた。




ちゃんとわかってくれる人はいるということ。

太陽も沙良と同じ気持ちでいてくれたら嬉しいな。







「梨紗、スマホの充電切れてるでしょ?」

『え』

「早く充電して、太陽に電話してあげて」

『…ぅん』






そう言われたから、早速充電をしたら太陽からLINEのメッセージと電話の嵐だった。





怖くて、LINEが見られなくなってる間に…




心配かけてごめん。

私が逆の立場なら、キスされたより嫌かもしれない。





もちろん、キスされるのも嫌だけど…連絡取れなくなるのはもう論外すぎる話で重症。






「私の前で電話して」

と、

沙良先生が怖い表情で言ってくるから…私は沙良に言われるがままに電話をした。





でも、太陽と電話するのはあの口喧嘩以来。

あの時は、もう電話するもんか!と思ったけど…






声を聞くのが怖かったけど…1コールで出てくれて「梨紗?」と名前を呼ばれた。





涙腺が爆発した。




たくさん、たくさん、泣いたのに…まだ泣ける自分が信じられなかった。





『ごめん』

「まじで電話に出ろって」

『……』

「来週帰るから、もう少し待ってて。ごめんな」

『…ぅん』

「寝られた?」

『ぅん』

「ご飯食べたの?」

『…ぅうん』

「沙良と食べておいで」

『ぅん、ありがとう』

「またLINEして」






太陽が優しすぎて、怖かった。

太陽って、こんな人だったっけ?





許してもらえるかはわからないけど…少しだけ、少しだけ前向きになれた気がした。





そういえば、来週帰ってくる日。

あっという間なようで長かった気もする。




どんな顔をして会ったらいいかわからないけど、きっと大丈夫なことを信じたい。