男女に友情は存在しない。







目を開けるとそこは明らかに家じゃなかった。




白い天井に、白いカーテンに囲まれていた。

それに私の視界に入ってきたのは点滴されてる腕。






『え、何?病院?』





状況を掴めずにいると足元に沙良がベッドに伏せて寝ているのが見えた。







メイクはしてて、仕事帰りの格好っぽい感じ。






私はこの病院にどうやって来たんだろう。

沙良が連れて来てくれたのかな。





今は何時だろう。




スマホで時間を確認するのと共に目に入って来たのは太陽からのLINEだった。





5件だって。

どうしたんだろう。何かあったのかな。





なんて、呑気にスマホのロックを解除してLINEを開いたら「どこの病院?」「起きたら電話して」「沙良に会えた?」「電話して」「何時でもいい」というLINEの山。






え、私運ばれたの?

もしかして救急車で運ばれた感じ?





少しだけ状況を掴み始めた。





私はさっき飲みに行ってて、その場で新くんと会って…色々あって先に帰った。






駅に向かってる途中から記憶がない。

そんな感じだろうか。






あんなにそっけないLINEをしていたのに、心配してくれて嬉しかった。





けど、その反面罪悪感にも襲われた。




鮮明に残っていた。



私を壁に押し付けて来て、新くんの顔が近付いてもう逃げられないと思ったあの瞬間。





考えれば考えるほど怖かった。





自分は望んでいなかったけど…でも、太陽以外の人とキスをしてしまった。






それを聞いたら、太陽はどう思うんだろう。





『浮気しないでね』と、言ったのは私の方なのに…

どうしたら良いかわからなくて、返信を返せなかった。







けど、既読になった事に気づいたみたいで、太陽は電話をしてきた。







太陽って、そんな人だったっけ?





心配してくれてるのがひしひしと伝わって来た。






けど、出られなかった。






出られない間も電話が来ていることを知らせるためにスマホがバイブを立てていた。






切れてほしいと願ったのは初めてかもしれない。






悲しくて、涙が溢れてきた。

どうしたらいいんだろう。もう涙が止まらない。









電話に出るというこんな簡単なことが今は難しかった。

あんなに太陽の声が聞きたいと、思っていたのに…