高嶺の王子様が幼なじみだった話。

 「じゃあ、食堂に行こうか」
 「うん!」
 午前の授業が終わり、お昼休みになった。
 私と翠くんはお弁当を持って、食堂に行くために席を立った。
 「二人してどうしたの?」
 事情を知らない紫音と茜くんが不思議そうな顔でこちらを見てくる。
 二人とも、昨日はいなかったもんね・・・。
 「昨日、みんなでお昼ご飯を食べようって約束したんだ。二人も一緒行く?」
 「行く!」
 先に返事をしたのは茜くんだった。紫音は、難しそうな顔をしている。
 「紫音、誰かと約束してるの?」
 誰かと約束してるなら、今日は駄目かな・・・。
 そう思ってちょっと悲しくなったけど、紫音には紫音の事情があるもんね・・・。
 「大丈夫よ、相手にはちゃんと連絡しておくから」
 納得しかけたとき、紫音はオッケーの返事をくれた。
 「いいの?」
 約束があるんじゃ・・・。そう言いかけたけど、紫音は嬉しそうな顔で続ける。
 「せっかく普とお昼ご飯を食べられる機会なんだもの。それに、約束してた相手とはいつも一緒に食べてるから大丈夫よ」
 「そうなんだ」
 紫音といつもお昼ご飯を一緒に食べてる・・・。その人とは仲良しなんだな。
 紫音と仲良しなら、私も仲良くなりたいな。まだ、友達が出来てないからな・・・。
 「じゃあ、行こうか」
 紫音と同じで、何故か嬉しそうな顔をしている翠くんがそう言った。
 「そうだね!茜くんは、お弁当ないの」
 食堂へ行こうとしたけど、茜くんがお弁当を持っていなかった。
 「俺は食堂で買うから大丈夫!」
 確かに、星華学園は学食があるもんね。私も昨日食べたけど、すごく美味しかったな・・・。
 今日は時間があったからお弁当作ってきたけど、また機会があったら食べたいな。
 「茜くんが大丈夫なら行こっか!」
 みんなと食べるお昼ご飯を想像して、私は胸を躍らせた。