高嶺の王子様が幼なじみだった話。

 「おはようございまーす・・・」
 ドアを開けて教室に入ったけど、中には誰もいなかった。
 今日は茜くんと紫音が学校に来る日。早く2人に会いたくて目覚ましをいつもより早い時間に設定して、起きられるように昨日は早く寝た。だからなのか、目覚ましが鳴る前に起きてしまった・・・。
 寮にいてもやることがなくて学校に来たけど、さすがに7時45分は早すぎたかもしれない。
 登校の途中ですれ違った人も、片手で数えるくらいだし・・・。
 HRまで何をしようかな・・・。
 そう思った時だった。教室のドアが開いたのは。
 「紫音?」
 目を向けると私の親友で、幼なじみの犬飼紫音によく似た女の子が立っていた。
 思わず呼びかけると、こちらに気づいた彼女が私を見て固まってしまった。
 やっぱり・・・
 「紫音、だよね?」
 そう聞いても彼女は何も答えない・・・。
 人違いだったのかな・・・。
 もしかしたら、そっくりさんかもしれない・・・。
 お互いに何もしないこと数秒後、誰かが教室に入ってきた。
 「おはようございますって、普?早いんだね」
 誰かは、翠くんだった。
 見知った顔の登場で少しホッとしていると、彼女はひどく驚いた顔で翠くんの方に向き距離を詰めた。
 「ちょっと翠、どういうこと?どうして普通に話しかけられるの?もう少し驚いたり、喜んだりしなさいよ!?」
 「そっか、紫音はまだ知らないんだよね。普は星華学園に編入してきたんだよ」
 それを聞いた彼女は、私に近づいてきてすぐ目の前で止まり口を開いた。
 「本当に、普?」
 「うん、本当に普だよ。紫音、久しぶり!」
 そう言うと、紫音はすごく嬉しそうに私の手を握ってきた。
 「久しぶり、普!ずっと会いたかったわ」
 満面の笑顔になった紫音はすごく嬉しそうで、心の底から私との再会を喜んでくれるんだと分かって、私もすごく嬉しくて笑顔になってしまう。
 「私も、ずっと会いたかった。また会えてうれしい!」
 感動の再会を果たす私達を、翠くんが温かい目で見守ってくれていた。