高嶺の王子様が幼なじみだった話。

「んっ」 
 カーテンの隙間から光が差し込んできて目を覚ますと、八時過ぎだった。
 やばいな・・・。
 普通に支度をしてたら遅刻になるし、学校、普通にめんどくさい。何か適当に理由をつけて、サボるか・・・。そんな考えも頭に浮かんだが、行かなかったら普に会えない。
 「はぁ~」
 ため息をついて、俺はベットから降りた。
 急げばHRまでには間に合うか・・・。
 俺は、10分で支度をして寮を出た。
 
 教室に着くとチャイムがなる直前で、なんとか遅刻は免れたらしい。
 「おはよう、波瑠。今日は来ないと思ってたけど、ちゃんと来たんだね」
 席に座るとご機嫌な海斗が話しかけてきたが、今は機嫌が悪かったから無視を決め込んで机に伏せた。
 昨日は寝付きが悪く、全然寝られなかったからものすごく眠い。そのおかげか、眠気はすぐに訪れた。
 
 「・・・る、波瑠。起きなよ」
 ・・・うるさい。
 誰かの声がして目を覚ますと、あきれ顔の海斗と目が合った。
 「何だよ・・・」
 睨みながら聞くと、海斗は弁当を見せながら「お昼、行かないの?」と聞いてきた。
 「・・・行く」
 お昼は一緒に食べようって普と約束していた。
 今日は、普に会う為に学校に来たんだ。行かないわけないだろ。
 早く普に会いたい俺は、急ぎ足で食堂へ向かった。海斗と共に・・・。
 
 「海くんと波瑠くん、こっちこっち!」
 食堂に着くと、先に来ていた普達が席を取ってくれていた。
 「普、ありがとう」
 爽やかな笑顔の海斗が、普の頭に手を乗せて撫で始めた。
 「・・・」
 ムカつくな・・・。
 撫でられている普は、最初は不思議そうな顔をしていたが、今は嬉しいのかニコニコしている。
 きっと、海斗を睨みつけている俺の顔はすごいことだろう。近くにいる双子は、顔を青くしてこっちを見ている。
 満足したのか手を下ろした海斗を見て、俺はすかさず普の頭に手を乗せ海斗が撫でたあとを払うように優しく撫で始める。
 今度は海斗がすごい顔で俺のことを見てきたが、少しも気にならなかった。