高嶺の王子様が幼なじみだった話。

 「普のお弁当、美味しそうだね」
 私が自分のお弁当の蓋を開けると、私の横に座っている海くんが褒めてくれた。
 「ありがとう。海くんのお弁当もすごく美味しそう。自分で作ったの?」
 「そうだよ」
 「すごいね!」
 海くんのお弁当にはハンバーグや卵焼きが入っていて、すごく美味しそうだ。それに、これを朝から作ったなんて尊敬する…。私も料理は好きだけど、こんなにすごいお弁当は作れない。
 「翠くんと紫音も自分で作ったの?」
 私達と同じくお弁当を持ってきていた翠くんと紫音にも聞くと2人とも首を縦に振った。2人のお弁当もすごく美味しそうだ・・・。
 「普は、料理できる男子はかっこいいって思うか?」
 海くんとは反対側の隣に座っていた波瑠くんがそんなことを聞いてきた。
 「うーん・・・。上手に料理ができる人はすごいと思う」
 料理って簡単な物もあるけど、ちゃんとした手順を踏まないと失敗しちゃうからレシピ通りに美味しく作れる人はすごいと思うかな・・・。
 「そうか・・・」
 波瑠くんはそれきり黙ってしまった。
 何か変なことでも言っちゃったかな・・・。
 「俺も料理練習しようかなー」
 とんかつ定食を食べていた茜くんがそう呟いた。
 「茜には無理じゃない」
 私が反応する前に翠くんが笑顔で辛辣なことを言った。
 「私も無理だと思うわ。茜が料理をしたら男子寮が炎に包まれるわ」
 紫音まで・・・。
 茜くんは、料理が苦手なのかな・・・?
 「そんなことねーし。料理くらい俺にもできる」
 本人は認めてないみたいだけど・・・。
 「俺も無理だと思う」
 「俺もー」
 蒼空ちゃんと蒼ちゃんも・・・。
 私は茜くんが料理をしてるところを見たことがないけど、みんなに無理だと言われる茜くんが可哀想だ・・・。
 私はお弁当のたこさんウィンナーをつまみながらそんなことを考えた。