高嶺の王子様が幼なじみだった話。

 「みんなで座れる、いい席が確保出来て良かったね!」
 「そうだね」
 食堂に来たけど、まだ人は少なくてみんなでご飯が食べられるくらいの大きさのいい席を確保することが出来た。
 後はみんなを待つだけだ・・・。
 「茜くんは待ってる間に、ご飯買ってきたら?」
 私達の中で唯一お弁当を持ってきてない茜くんにそう言うと、茜くんは首を縦に振った。
 「うん!じゃあ、いってくるね!」
 「いってらっしゃい!」
 茜くんを見送ったのと当時に「「あまね~」」と、そっくりな二つの声が聞こえた。
 声がした方に目を向けると、顔もそっくりな可愛らしい双子の少年とイケメンという言葉がぴったりな美少年がこちらに向かってくるところだった。
 「そうちゃん、そらちゃん!伶桜くんも!」
 3人に向かって手を振ると、駆け寄ってきてくれた。
 「普さん、席を取りありがとうございます」
 「「普、ありがとう!」」
 「どういたしまして!」
 別に、お礼を言われるようなことはしてないけどね・・・。それでも、「ありがとう」と言われて嬉しかった。
 「3人とも学食?」
 見ると、3人ともお弁当を持っていなかった。きっと、学食なのだろう。
 「うん、そうだよ!」
 とそうちゃん。
 「俺も!」
 とそらちゃん。
 「自分も学食です」
 やっぱり、学食なんだ。
 「だったら、買ってきたら?私達は席にいるから」
 「じゃあ、そうします。行こう、蒼空、蒼太」
 「「うん」」
 3人も茜くんと同じように学食が売ってる方へ向かっていった。
 それにしても、
 「まだ来ないわね、あの2人」
 私の心を読んだかのように紫音がそう言った。
 海くんと波瑠くんがまだ来ていなかった。
 もう授業は終わってるはずなんだけどな・・・。もしかして、忘れちゃったとか。なんだか不安になってきたな・・・。
 あの2人に限って約束を破るなんてないはずだけど。
 少し気になって食堂の入り口の方へ目を向けると、背の高い2人組が入ってくるところだった。
 「やっと来たのね・・・」
 「遅かったね」
 2人も気づいたのか入り口の方を見ていた。
 「海くんと波瑠くん、こっちこっち!」
 早く来てほしくて、気づいてもらうために手をぶんぶん振る。
 「普!」
 すると、こちらに気づいた海くんと控えめだけど波瑠くんが手を振り返してくれた。
 「普、ありがとう」
 私達の元へ来た海くんが優しい笑顔で私の頭を撫でてくれた。
 「えへへ・・・」
 久しぶりだな・・・。海くんに頭を撫でてもらうのは・・・。
 昔からよく海くんは私の頭を撫でてくれていた。最初は少し恥ずかしかったけど、息をするように撫でるものだから私もなれてしまった。
 それに、誰かに頭を撫でられるのは結構好きだ・・・。
 嬉しくて、懐かしくてつい口元が緩んでしまう。きっと今の私の顔はすごいことになっているだろう・・・。
 「・・・」
 「・・・?」
 視線を感じてその方向に向くと、すごい形相の波瑠くんがすごい顔で海くんのことを睨んでいた。戻ってきていた蒼空ちゃんとそうちゃんが顔を青くして波瑠くんのことを見ている。
 どうしたのかな・・・?
 不思議に思っていると、海くんが満足したのか私の頭から手を下ろした。すると、今度は波瑠くんが私の頭の上に手をのせた。
 そういえば、波瑠くんも頭を撫でるのが好きだったな・・・。波瑠くんもよく私のことを撫でてくれた。
 今度は海くんが波瑠くんのことをすごい顔で見ていたけど、波瑠くんはさっきとは変わってご機嫌で海くんのことなど気にも留めてなさそうだった。