悪女の耳飾り

「……っ」

あまりに真っ直ぐな言葉に、華の息が止まった。

身体目的じゃない?好きでもない男の家に来て、無防備に寝転がっていたのは自分だ。でも、クロの瞳に宿る真剣すぎる熱を前にして、言葉が喉につっかえて出てこない。

「……じゃあ、なんで……」

「なんでって……言わねぇと分かんねぇのかよ」

クロは悔しそうに眉を顰め、華の頰に触れた。濡れた涙を親指で乱暴になぞりながら、絞り出すように呟く。

「……お前が他の男を好きになって傷つくたびに、俺がどれだけ嫉妬してたか……どんだけお前を抱きたかったか……お前は一回でも考えたことあんのかよ」

耳元で途切れ途切れに吐き出される言葉に、華の胸がドクンと大きく跳ねた。

「どうせ誰かの特別になれないなら死んでやる?……馬鹿じゃねぇの。お前は最初から、俺の特別だったんだよ」

失恋して、泣きついて、ただ『耳飾り』を増やすためだけに訪れていた場所。自分にとって都合のいい逃げ場だと思っていたその場所で、クロはずっと自分を見ていたのだと知る。

「誰かを傷つけて『悪女』気取ってる暇があるなら……俺の愛で、全部埋め尽くされてろ」

そう吐き捨てると、クロは華の腰を強く引き寄せ、ナカの奥深くへと一気に腰を突き上げた。

「ひぅっ……っ、ぁ……っ!」

「忘れないように、擦り込んでやる……お前を本当に愛せんのは誰なのか」

先ほどとは違う、熱く激しい質量が内部を揺らす。

(……なんで……っ、なんで私なんかに……)

「逃げんな……俺を見ろ、華」

名前を呼ばれ、強引に唇を重ねられる。

今まで『誰かの特別』になれずに傷ついてきたはずなのに。失恋の数だけ増えていったピアスのホールが、じんじんと熱を持って訴えかけてくるようだった。

——ずっと前から、私はこの男の特別だったのだと。

「……っ、クロ……さ……っ」

突如として始まった激しいストロークに、華はただクロの背中にしがみつくことしかできなかった。失恋のたびに増えていったピアスの穴。そのどれもが、目の前の男の執着と歪んだ愛を刺激していったのだと、今更になって知る。激しい揺れと甘い痺れの中で、華の頭の中をぐちゃぐちゃな感情が駆け巡っていた。