花束は君を守るために



ゆっくり顔を上げる
蓮は真っ直ぐ見て言った


蓮「今は話せねぇなら、それでいい
でも覚えとけ」


一歩だけ近付く


蓮「限界まで我慢すんな
お前は我慢する顔してる
そういうやつほど、
ある日突然倒れる」


彩花の胸がぎゅっと締めつけられた


彩花「……」

蓮「その前に」


蓮は少しだけ目を細める

蓮「俺を頼れ」


その一言に、
私は思わず蓮を見つめた

頼りたい
話したい

でも――

(怖い。)

その言葉だけが
喉の奥でつかえて出てこなかった

店の外では
通りを挟んだ電柱の陰から
直樹が静かに二人を見つめていた