蓮は何も言わず
彩花を強く抱きしめる
その腕は、あの日とは違う
苦しくない
怖くない
ただ、温かかった
彩花「ありがとっ……」
蓮は耳元で小さく囁く
蓮「もう大丈夫だ
お前は一人じゃない」
彩花は何度も頷く
彩花「はい……」
蓮は優しく彩花の前髪をなでる
ゆっくりと額が触れ合う
近すぎてお互いの息遣いまで聞こえた
目が合う
彩花が少し照れ笑いを浮かべる
その笑顔につられるように
蓮も自然と笑った
そして、そっと唇を重ねる
短く、優しく
夜風が二人の間を静かに吹き抜ける
寄り添う二人の手は、もう離れることはない
───END
