花束は君を守るために



───
どれくらいそうしていただろう
少しずつ震えが落ち着いてきた頃

蓮は彩花をソファへ座らせる


蓮「そこ動くな」


彩花は小さく頷いた

蓮は床一面に散らばったガラスを
一つひとつ片付け始める

静かな部屋に
ガラスを拾う小さな音だけが響く

その背中を見つめながら
彩花は唇を噛んだ


彩花「……蓮さん」

蓮「ん?」

彩花「ごめんなさい……
コップ……
割っちゃって」


蓮はガラスを拾う手を
止めることなく答えた


蓮「そんなもん、また買えばいい」

彩花「でも……」

蓮「それより
お前が怪我した方が問題だ」

彩花「……」

蓮「次からは拾うな
俺を呼べ」


その一言に彩花は
目を潤ませながら小さく頷いた


彩花「……はい」


(……怒らない。)

(割っちゃったのに。)

(迷惑かけたのに。)

涙がまた滲む