蓮はゆっくりと
彩花の前に膝をついた
怖がらせないように
落ち着いた声で話しかける
蓮「……彩花
俺だ、蓮だ
誰も殴らない
俺を見ろ」
震える彩花はゆっくり顔を上げる
涙で滲む視界の先
そこにいたのは、直樹ではない
蓮だった
その瞬間
張りつめていた糸が切れた
彩花「蓮さんっ……」
彩花は蓮の胸へ飛び込む
彩花「怖いっ……
怖かった……」
小さな身体が震え続ける
蓮は何も言わず
その背中へそっと手を添えた
蓮「もう終わった」
静かな声だった
蓮「ここには俺しかいない
お前を傷つけるやつは
もう誰も近づけない」
彩花は蓮の服を
ぎゅっと握りしめる
涙が止まらなかった
