花束は君を守るために


───
車の中

渡しは窓の外を見る
前なら
ただ移動しているだけなのに怖かった

誰かに見られていないか
後ろをつけられていないか

そんなことばかり考えていた
でも今は
隣に蓮さんがいる

それだけで少し安心できた


彩花「……蓮さん」

蓮「ん?」

彩花「ありがとうございます」


蓮は前を向いたまま言う


蓮「また謝る気か」


彩花は小さく笑った


彩花「違います
ちゃんと、お礼です」


少し間があく


蓮「……そうか」


蓮はそれ以上言わなかった
でも
少しだけ口元が緩んでいた