花束は君を守るために



───
取り調べ室に重い沈黙が落ちる

机を挟んで向かい合う二人
蓮は静かに直樹を見据えた


蓮「お前は彩花のことをどう思ってた」


直樹は椅子にもたれ
小さく鼻で笑う


直樹「……愛してましたよ
だから一緒にいたかった
俺は悪くない
彩花が俺の言うことを
聞かなかっただけだ
俺を怒らせるようなこと
ばっかりするから
全部、あいつが悪い」


 蓮は表情を変えない


蓮「そうか」


 短くそう言うと
ゆっくりと口を開いた


蓮「愛してる相手の腹を
何度も殴るのか」


 直樹は黙ったまま視線を逸らす


蓮「苦しくて息もできない相手を
壁へ押しつけるのか」


 部屋に静寂が落ちる


蓮「動けない相手を
刃物で傷つけるのか」


蓮は数秒言葉を切った
その静けさが
かえって胸に突き刺さる