花束は君を守るために



───
廊下
蓮は処置室の前で立ったまま待っていた

ドアが開き
医師が出てくる


医師「神崎さん」


蓮はすぐ立ち上がる


蓮「どうでした」


医師は真っ直ぐ蓮を見る


医師「腹部の傷だけではありません」


その一言で
蓮の表情が変わる


医師「腹部には複数の
強い打撲痕があります
かなりの力で何度も
殴られています
その影響で内臓にも
損傷が見られます」


蓮は静かに目を閉じた

あの駐車場
彩花が苦しそうに
うずくまっていた姿が浮かぶ

(……間に合わなかった。)

拳がゆっくり握られる


蓮「命は」


かすれた声だった
医師は答える


医師「これから緊急手術です
現時点では予断を許しません
全力を尽くします」


蓮は深く頭を下げた


蓮「お願いします」