そして次の瞬間
直樹「何が!」
怒鳴り声
直樹「何が『何もしないで』だ!!」
感情を抑えきれなくなった直樹は
彩花を強く突き飛ばした
彩花の身体がバランスを崩す
背中からコンクリートの角へぶつかり
鈍い衝撃が全身に走る
彩花「っ……!」
息が詰まる
立ち上がれない
そして直樹はポケットへ手を入れた
折りたたみ式のナイフ
カチッ、と刃が開く
顔をあげてそれが見えた瞬間
彩花の顔が青ざめる
彩花「やめて……」
直樹は荒い息をつきながら
一歩ずつ近づく
直樹「全部あいつのせいだ……」
彩花「違う……」
彩花はかすれた声で繰り返す
彩花「違うよ……」
