花束は君を守るために



───その頃

マンションの駐車場

車の陰から、
部屋の明かりを見上げる男がいた
直樹

リビングで笑う二人の姿は見えない
でも灯りだけで十分だった


直樹「笑えるようになったか」


低く呟く
ポケットからスマホを取り出す

画面には一枚の写真
昼間、スーパーへ買い物に行く
彩花を隠し撮りしたもの


直樹「次は一人になる時だ」


ゆっくり笑う
その笑顔だけが、
夜の闇に溶けていった