蓮は立ち上がる
蓮「それと」
その声で私は顔を上げた
蓮「店長を襲った犯人は、
まだ決まったわけじゃねぇ
勝手に自分を責めるな」
その言葉に私は少し目を見開く
蓮「顔見りゃわかる
全部、自分のせいだって思ってんだろ」
図星だった
でも何も言えない
蓮は静かに踵を返す
数歩歩いてから立ち止まり、
振り返らずに言った
蓮「……一つだけ覚えとけ」
私はその背中を見つめる
蓮「何かあったら一人で抱えんな
連絡しろ
以上だ」
そう言って歩き去る蓮
私はその背中が見えなくなるまで
ただ立ち尽くしていた
……話せない。
もし話したら、また誰かが傷つく。
その思いだけが、
胸の奥で静かに膨らんでいった
