花束は君を守るために



この子は今もなお、
自分のことより他人の命を心配している
どれだけ恐怖の中で生きてきたのか
胸が締め付けられた

蓮は静かにベッドへ近付く
彩花の前でしゃがみ、視線を合わせる


蓮「彩花」


優しく名前を呼ぶ
彩花は涙で濡れた瞳を向ける
蓮はその小さな手を包み込んだ
温かい手だった

蓮「約束はできねぇ」


彩花の表情が曇る
蓮は続けた


蓮「刑事だからな
危ねぇ現場もある
怪我することもある」

彩花「……」

蓮「でも」


少しだけ口元を緩める


蓮「簡単には死なねぇ」


彩花は黙って聞いている


蓮「お前との約束、
破りたくねぇからな」


その一言で
私はまた泣き出した