蓮は何も言えなかった
彩花はベッドの上で少し身体を
前へ倒しそのまま蓮へ抱きつく
ぎゅっと
震える細い腕が、蓮の背中へ回る
蓮「……」
彩花「会いたかった……
ずっと……」
肩が震えている
蓮は驚いたまま数秒動けなかった
やがて、ゆっくりと
彩花の背中へ手を添える
打撲を避けるようにそっと
蓮「……あぁ」
低く優しい声
蓮「俺もだ」
彩花「……」
蓮「会いたかった」
彩花は声を上げずに泣き続けた
蓮は何も急かさない
ただ静かに背中をさすり続ける
病室には、
彩花の小さな泣き声だけが響いていた
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