蓮「ゆっくり座るぞ」
蓮は片腕で彩花の背中を支え
もう片方の手で足元を支えながら
できるだけ身体を揺らさないように
助手席へ座らせた
シートを少し倒し
負担が少なくなる角度に調整する
蓮「これで少し楽か」
彩花はうっすら目を開ける
小さく頷いたように見えた
シートベルトを掛けようとして
蓮の手が止まる
腕を持ち上げた瞬間だった
長袖の袖口が少しずれた
白い肌に残る、濃い紫色の痣
指で強く掴まれたような跡
蓮の表情が変わる
蓮「……」
何も言わない
静かに袖を戻し
シートベルトを締める
カチッ
その音だけが車内に響いた
