【国語】

次の文章を読み、後の問いに答えよ。
 私が「それ」を自覚したのは、昨夜の寝室だった。天井の隅から、じっと私を見下ろす(ア)歪な影があった。
 恐怖で声も出ない私に影は這い寄り、耳元でこう囁いた。
「私たちは最初から二人で一つ。あなたが右手を動かす時、私はあなたの左手を操っているの。あなたが眠る時、私はあなたの脳の半分を乗っ取って、別の体を探しに出かけるのよ」
 翌朝、私は震えながら登校した。しかし教壇に立つ教師の(イ)不自然に強張った笑顔を見た瞬間、私はすべてを悟った。この教室にいる全員が、すでに「半分」を奪われている。
 今、私の右手はペンを握り、この問題を解いている。しかし私の左手は机の下で私の意志とは無関係に、私自身の首を静かに力強く絞め始めている。
問一
傍線部(ア)について、この影の正体として最も適切なものを次から選べ。
(1)主人公の生霊
(2)夜の闇が見せた幻覚
(3)すでにあなたの中にいるもの
問二
傍線部(イ)とあるが、教師の笑顔が強張っている理由を「半分」という言葉を用いて説明せよ。
問三
あなたの左手は、今どこで何をしていますか。解答欄に正しく記述せよ。