喪失の夜に、あなたがいた


胸の奥が熱くなる。

痛みと、
 恐怖と、
 そして確かな想いが混ざり合う。

「楓。
 あなたはあの子を守れる人よ。
 だから……立ちなさい」

さくらは楓の手を握った。

「明莉さんは、あなたを待っているわ。ゆっくり待ちましょう。明莉さんが目を覚ますのを。」

その言葉は、
 楓の胸に深く落ちた。

震える心を支えるように、
 楓はゆっくりと息を吸った。

そして──
 処置室の扉を見つめた。

(明莉さん……
 僕は……これからもずっとあなたを守ります)

その想いは、
 静かだが揺るぎない決意へと変わっていった。