喪失の夜に、あなたがいた

夜が明けるまで、明莉はほとんど眠れなかった。

瞼を閉じても、
胸の奥がざわざわと落ち着かず、
何度も寝返りを打った。

楓の会社の20周年パーティー。
楓の世界。
楓の出自。

その言葉が、
夜の間じゅう、頭の中で静かに響いていた。

(……大丈夫。楓さんが一緒だから)

そう思おうとするたびに、
胸の奥に小さな影が落ちた。

理由はわからない。
ただ、怖かった。