「……これで、大丈夫そうですか?」
「さすが翔太くん。役者の卵だね。思った以上だったよ」
「僕、こういうオラオラ系の演技、苦手なんですから……っていうか、何があったんですか?」
「原宿で遊んでたら、ナンパされて。で、めんどくさいから翔太くんを彼氏にして、呼び出しちゃおうって」
「なんで僕だったんです? 大学の友達とか、いくらでもいたでしょう。第一、向こうが逆上して、本当に手出して来たらどうするつもりだったんですか」
「まあ、その時はその時よ」
あきれた。まさかのギャンブル。向こうがビビリだったからよかったものの、本気でヤバイヤツだったら、僕の顔は今頃、じゃがいもみたいにボコボコになっている。



