そんな素晴らしき日々を、上京してから当然のように過ごしてきたものだから、新学期の初日、僕は寝坊した。
やってしまった。寝坊。僕は学生の頃、寝坊をしたことがほとんどなかった。
気の緩みだろうか。ダメだ、ダメだ。集中。今日から始まるのだ。授業。
シャワーを浴びることは断念し、私服に急いで着替えて、カバンに稽古着を詰める。
詰め終わって、玄関を出ると、ちょうど大学へ行くのだろう、ハルミと一緒になった。
「今日から授業?」
「そうです」
「そっか。頑張ってね」
「はい」
と、まあ、それだけの会話を交わして、僕は学校へ走った。



