まだ、何者でもない僕は、少し離れたところで、お尻ぺんぺんをして、挑発しているヨサノを見つけた。こいつは、殺さなければならない。
僕は本能のままに、走った。足は昔から学年で1番早かった。ヨサノなど、すぐに捕まえて、坊主頭に張り手を食らわす。
「タッチ」
「ばか! 痛ぇーわ!」
ヨサノがカイエダを追いかける。カイエダも足が速いようだ。しかし、すぐにこけて、ヨサノに笑いながら、タッチをされる。
カイエダのスーツの膝部分が、ビリビリに破けている。ダメージスーツの完成だ。僕はそれを見て、指さして笑う。
「やーい、ばーか、ばーか!」
カイエダが顔を真っ赤にしながら、僕を追いかける。しかしすぐに追いかけるのを諦め、茂みにしゃがんで隠れていたアベさんをタッチした。
アベさんは、えへへと笑った。僕は、アベさんに恋をした。



