上京してすぐのこと。 この頃、僕は呑気にも、アパートの角部屋に住めることに喜んでいた。 卒業する前、サッカー部の顧問に言われたことだ。 「部屋は角部屋がいいぞ、翔太。騒音が気にならない」 「どうしてですか?」 「角部屋ってことは、隣の壁も片側一つだろ? 中部屋よりも生活音が響かないんだよ」 「なるほど」 僕はまんまと真に受けて、角部屋を借りた。家賃ちょうど80000円。駅近の1K。