ハルミはもう一度、自分の部屋に戻っていった。そして、玄関から顔だけ出して、 「茹で終わったらそっちに持っていくから。ちょっと待っててー」 「あ、はーい」 僕は自然に返事をしていた。 これが東京のご近所付き合いというものなのだと、本気で思いそうになったほど、自然に。 もちろん、これは特殊な例である。ハルミはそう、特殊な人間だった。 まあ、僕はそれを通り越して、人間じゃない。半分サイボーグなんじゃないかと、今でも思っているが。