リハーサルから始まる恋

愛斗は正子に、大好きな歌を聴かせてあげた。
歌声が終わり、二人の思い出やこれからのことをゆっくりと話した後、柔らかく唇を重ねた。
ふと気づくと飲み物がなかったので、近くのコンビニへ向かった。店内で買い物をしていると、先に正子が松本の姿に気づいた。彼女はさりげなく愛斗の腕に寄り添い、上目遣いで見つめながら甘えた声で言った。「愛斗くん、芋けんぴ取ってくれる?」
「あ、うん」
愛斗が手を伸ばして取ると、正子はそのまま体を寄せて愛斗に甘えた。
愛斗が嬉しそうにニヤニヤしていると、松本が近づいてきて嘲笑った。
「なにニヤニヤして変なの。年が離れすぎだし、おばさんに甘えられていい気になって。もっと若い子にすればいいのに」
愛斗の表情が一気に険しくなった。
「人を見た目や年でしか判断できねえのかよ、最低だな。正子さんはお前よりずっと魅力的で、若く見えて本当に綺麗なんだ。お前なんかより正子さんのほうが百倍可愛いに決まってるだろ!」
正子は愛斗の頬をそっと撫で、優しくキスをした。
愛斗の怒りが少し和らぎ、笑顔がこぼれた。
「人前でみっともない。おかしいと思わないの?」松本がまだ言い募ると、正子はきっぱりと言い返した。
「好きな人にキスをして何が悪いの? あなたこそ最低ね。キスくらいで大騒ぎして、そうやっていつも愛斗くんに嫌がらせばっかりしちゃいけないんだよ」
「だって年が離れすぎだろ!」
「別にいいじゃない。二人が幸せなら、それでいいのよ」
松本は言い返す言葉もなく、その場を去っていった。
愛斗は正子の頭を優しく撫でて慰め、それからまた深くキスをした。
「正子さん、ありがとう。本当に助かったよ」
「うん、別にいいんだよ。頭にきたから、言いたいこと言っただけなんだよ」
二人は松本がまだ遠くから見ているのに気づいたが、完全に無視して買い物を続けた。
会計を済ませて店を出ると、そのまま愛斗の家へ帰った。
買ってきたものを冷蔵庫にしまい、再び愛斗は正子を抱きしめてキスをした。ベッドへ移り、愛斗は正子をそっと寝かせ、ゆっくりと服を脱がせて抱きしめた。
正子が愛斗に優しく愛情を注ぐと、愛斗は思わず声を上げた。
お互いの温もりを全身で感じ合い、正子も愛斗も自然と吐息を重ね、一時間ほどたっぷりと愛し合った後、二人は抱き合ったまま眠りについた。
夜中、正子が安らかに眠っているのを確かめ、愛斗はその寝顔にそっとキスをした。それからトイレに行き、再び正子の隣に戻って眠った。
朝になり、二人は目を覚ますとまずキスを交わし、一緒に朝ごはんを食べた。 
愛斗はそのまま仕事へ向かい、一日を忙しく過ごした。休み時間に同僚と正子の話をしていると、たまたま通りかかった松本がまた正子の悪口を言い始めた。
その言葉にカッとなった愛斗は、思わず松本を殴りつけてしまった。周りの人たちが慌てて止めに入ったが、愛斗は怒りが収まらず、壁を思い切り蹴ってその場を飛び出した。
イライラしながら正子に電話をかけ、松本を殴ってしまったことを伝えると、正子は落ち着いた声で「愛斗くんは悪くないからね」と言ってくれた。
わ電話を切った後、愛斗は少しだけ気持ちが落ち着き、そのまま家へ帰った。
家に帰ると正子が迎えてくれ、愛斗は思い切り抱きしめた。
「愛斗くんは悪くないんだよ。あなたは何も間違ってない」
「ありがとう…」
二人は見つめ合い、もう一度優しくキスをした。年の差なんて関係ない、ただお互いを想う気持ちが一番大切だと、二人は心から感じていた。
---