はじまりは、再会の後から 〜二人のイケメンからプロポーズされて困惑しています〜

会社の隅っこにある約十畳ほどのスペースは、給湯室を少し広くした程度の共有休憩室である。

小さな簡易テーブルが二つ置かれていて、折り畳み椅子が五脚壁に立てかけてある。必要な人がその都度使う感じだ。

この会社の男性陣はほぼ現場へ出向いているので、ここを使うとしたら裏方の女子社員だ。千雪はお弁当派なので、お昼休みは結構な頻度でここを利用している。

ポットや紙カップも設置されていて自前の飲み物を淹れることも出来るが、今は自販機でコーヒーを買い二人は椅子に座った。

「で?さっきの失礼女は何者ですか?人を怒らせる天才ですね!」

早速梨乃が本題に入る。

「あはは……。彼女は上原さん。高校の同級生なんだ。sasanoに転職して来たんだって。浅田ちゃんにも嫌な思いさせてごめんね。さっきは助かったよ。ありがとう」

「いえいえ。そもそも瀬戸さんのせいじゃありませんから。でも何でこんな電話をかけてくるんですか?ここは取引先の会社ですよ。非常識にも程があります」

「私にもさっぱり。元々、自分の感情が最優先の人だからね」

「はぁ?幼稚園児ですか!腹立ちますね!私の大事な先輩に何してくれてんですか!」

「私のために怒ってくれてありがとう」

「当然です。ほら私、こんな感じで生意気じゃないですか。上手くやろうとすると天然気取りとか言われて。瀬戸さんだけです。こんな風に私と付き合ってくれるの。だから、私の大好きな先輩に嫌な思いさせるなんて、あいつ〜、許せん」

梨乃の可愛い顔が怒りで歪んだ。