きょろきょろしている千雪の隣から、優しく穏やかな男性の声が降って来た。
「いらっしゃいませ」
それはお手拭きとお冷を持ってきてくれた店員さんの声で、千雪は堂々とそちらを見上げた。
彼は栗色の髪が柔らかそうで、彫りは深いが目尻が下がった優しい印象の顔立ちだった。梨乃が言うようにまるで王子様だ。
しかも千雪はこの顔に見覚えがある。それは隣に立つイケメン王子も同じだったようで、奇しくも見つめ合ってしまった。
「あのー……もしかして……」
堪らず千雪は声をかけてしまった。
王子も確信を得たように声をかけてくる。
「ちぃ……だよね?はは……お団子ヘアは健在なんだね。すぐに分かったよ」
千雪をちぃと呼ぶ人は数少ない。その中の一人がこの人だ。
「翔也くん……なの ⁉︎」
千雪は大好きだった幼馴染の名前を口にして、一瞬で全身が沸騰するのを自覚した。
「本当に翔也くん?本物 ⁉︎」
中三の夏に引っ越してしまった幼馴染の彼と予期せぬ再会を果たして、千雪はつい大きな声をあげてしまった。
「ごめんね、ちぃ。詳しい話はまた後で」
千雪がいつもなら出さないような素っ頓狂な声を出してしまったため、店内のお客さんから注目されてしまった。翔也も仕事中である。妥当な判断だ。
「あっ、そうだよね。ごめんなさい。また後で」
「では、ご予約いただいているAランチお二つ、ご用意出来次第お持ちいたします」
翔也は一礼し、千雪のお団子をつんつんと突ついてから立ち去った。
「いらっしゃいませ」
それはお手拭きとお冷を持ってきてくれた店員さんの声で、千雪は堂々とそちらを見上げた。
彼は栗色の髪が柔らかそうで、彫りは深いが目尻が下がった優しい印象の顔立ちだった。梨乃が言うようにまるで王子様だ。
しかも千雪はこの顔に見覚えがある。それは隣に立つイケメン王子も同じだったようで、奇しくも見つめ合ってしまった。
「あのー……もしかして……」
堪らず千雪は声をかけてしまった。
王子も確信を得たように声をかけてくる。
「ちぃ……だよね?はは……お団子ヘアは健在なんだね。すぐに分かったよ」
千雪をちぃと呼ぶ人は数少ない。その中の一人がこの人だ。
「翔也くん……なの ⁉︎」
千雪は大好きだった幼馴染の名前を口にして、一瞬で全身が沸騰するのを自覚した。
「本当に翔也くん?本物 ⁉︎」
中三の夏に引っ越してしまった幼馴染の彼と予期せぬ再会を果たして、千雪はつい大きな声をあげてしまった。
「ごめんね、ちぃ。詳しい話はまた後で」
千雪がいつもなら出さないような素っ頓狂な声を出してしまったため、店内のお客さんから注目されてしまった。翔也も仕事中である。妥当な判断だ。
「あっ、そうだよね。ごめんなさい。また後で」
「では、ご予約いただいているAランチお二つ、ご用意出来次第お持ちいたします」
翔也は一礼し、千雪のお団子をつんつんと突ついてから立ち去った。


