恋、しちゃったみたいです。

翌日

「昨日は何事もなく無事家に帰れた?」
時々、陽菜は変なことを聞いてくる。
陽菜曰く、かわいいから無事家に帰れるか心配で。ほら私部活あるから一緒に帰れないでしょ?
とのこと。
私がかわいいなんて天と地がひっくり返ってもあり得ないのに。私より陽菜の方が何千倍も何万倍も何億倍もかわいいのに。不思議な子だ。
でもせっかくだから、昨日のことを軽く話してみた。

「…ということがあってね、昨日はさんざんな一日だったよ」
おかげで日課忘れて帰っちゃったし。まぁ朝早めに来て水あげたけど。

「謎の男の人ねぇ。その人他に特徴ないの?髪の毛とか、身長とか、イケメン!とかさ」
目をキラキラさせながら聞いてくる。
けど、基本的に人に興味ない私が外見なんか覚えているはずもなく、手掛かりはゼロだった。
次顔みたら思い出すんじゃない?と言われ、話は終了した。




___お昼休み
お弁当忘れたから食堂で食べよ?と陽菜に頼まれたので、私たちは今食堂にいる。

しばらく団らんしていると、食堂がざわつき始めた。
何事?って思って陽菜をみると、あれでしょ、と目を向ける。

そこには女の子に囲まれながら食事をしている男の人がいた。
「あの人、だれ?」
そう陽菜に聞くと、ただでさえ大きなくりくりな目をこれでもかってくらいさらに大きく開いて、「うそでしょ…」
といった。
「え、そんなに有名人?芸能人とか?」
「芸能人ではないけど、有名よ。いい??彼はね……」
そういって彼について説明を始めた。


陽菜の話を要約するとこうだ。

彼は、水無月 奏斗《みなづき かなと》 高校1年生
頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群のまさしく絵にかいたような王子様。
学園1人気らしくて、ファンクラブまであるらしい。
今年の新入生代表挨拶で一躍人気になったみたい。
ちなみに日本を代表する水無月財閥の御曹司でもある。

ほう。そんな完璧人間が実在するとは。

私はちらっともう一度みて、なんか見たことあるなーと思っていた。
でも、それだけ有名人なら、すれ違ったりすることはあるか、そう思い特に気にせず、昼食を摂った。