続・恋の終電列車

 🎵ピンポーン🎵と家のチャイムが鳴り、玄関の扉を開けると、そこには右腕に包帯を巻いた淀野さんが立っていた。

 「ただいま。」

 その言葉を淀野さんが言い切る間もなく、私は淀野さんに抱きついた。
 
 「良かった…。」

 抱きつく私の目からは涙が溢れ、ニュースを見た時からずっと溜めていた気持ちがやっと全て放出される。

 「ごめんなさい。心配を掛けて…。」

 淀野さんが泣いている私の頭を優しく撫でてくれた。温かい彼の胸の中でやっと彼の体温を感じる事ができた私は、少しの間彼の胸の中で彼がちゃんと生きているのを感じて安堵した。

 私がゆっくりと淀野さんの胸から離れると、淀野さんは静かに話し始めた。私達は淀野さんの実家を訪問してから一度もちゃんと話せていない。淀野さんの声を聞くのも久しぶりだった私は、淀野さん真剣な表情から、何が話したいのかが伝わってきた。

 「穂波さん。僕からお話があります。僕の両親のこともちゃんと話したいので、僕の話を聞いてください。」

 淀野さんの表情は真剣だった。右腕に包帯を巻いている淀野さんは痛々しく見ていられないと私は顔を背けたくなる。私はこれから淀野さんの妻になり、結婚してやっていけるだろうか⁇また何かあったら⁇万が一でも命に関わる事件が起こったら、私は1人になってしまうのか⁇
 
 心の中に不安ばかりが募り、まだ平静を装うのがやっとなくらいで、まだ淀野さんが怪我をしたという事実をちゃんと受け止められていない。

 正直淀野さんと結婚して妻になる事に怖さを感じていた…。