次の日、アランは眠れない夜を過ごしていたのか、
なんとなく元気のない様子で朝食会場に現れた。
いつもいた取り巻きの女性たちも今日はいなかった。
「おはようございます」
扉を開けると、
ソフィアが座っていた。
大きな食卓にポツンと座っているが、
朝の日差しを浴びてプラチナブロンドの髪がキラキラと輝いていた。
アランは昨日のことは夢だったのかと思うほどだった。
「おはよう。昨日は……よく寝れたか?」
ボソボソと言う。
「大変よく眠れました」
にっこりと微笑む。
無言の中、ありとあらゆる食事が運ばれてくる。
朝からステーキ?と目をむくものもあれば、
ケーキやアイス、ハンバーグ、麵料理、中華なんだかなんなんだか。
「……魔王様、これは?」
「ん?朝食だが」
アランはむしゃむしゃと手づかみで食べ始めた。
骨付き肉にかぶりついた姿はまるで獣のようだった。
美しい衣装が油と零れ落ちた肉でべとべと。
それを見て華恵改め、ソフィアは立ち上がった。
「あかーーん!!!
そないな食べ方したら!!
仮にも王なんやろ?あんたにはマナーいうもんはないんか!?」
ドシドシ(正確には羽の鳴るような足音だが)とした素振りで、
アランの横に立ち、
ソフィアはその辺にあったナプキンで口を拭い、
汚れている胸元を優しく拭いてあげた。
「これ、こんなに汚れてもうて……
あかん子やな~」
母のように優しい手つきで集中して拭いていた。
ソフィアが心配そうに顔を覗き込むと、
アランはびっくりして固まってしまっていた。
「どうしたんや?」
「……い、いや」
アランはフイと横を向く。

