俺は浩太おじさんのワンボックスカーにスーツケースを入れ込むと助手席に座った。
「後、ジンに言っておくことがある。
実は、前に住んでた家とは違うところに住んでて、というかまずは仕事を変えたんだ」
「前は外資のIT企業だったよね?」
おじさんは駐車場から車を出して高速道路へ向かう。
「そう、そこは五年前に辞めた。
で、今は千葉の田舎の方で仲間と農業をしてる」
「の、農業?」
煌びやかな世界でカッコよく生きていた叔父さんしか知らない俺は、ただただ驚いてしまった。
「そう、色々な野菜や果物を作ってる。
だから、今向かってる家もちょっと外れの方にあるんだ。
そうだ、ジン、車は運転できるんだろ?
車がないと何もできない場所だから」
俺は大丈夫と呟くと、高速道路の流れる風景に目を向けた。
いやいや、ちょっと待て、俺の大切な一年は一体どういう生活になるんだ?



