レイカの声に反応してすぐに店員が出てきた。
「レイカちゃん、いらっしゃい。
今、そこの席を片付けるから待っててね」
どうやらレイカは常連さんらしい。
綺麗に片付いた席に座ると、レイカは真っすぐに俺を見る。
「ジンさん、何が食べたいですか?」
俺はメニュー表を見ながら、首を横に振った。
「レイカにお任せしていい?」
俺が急にレイカって呼んだ事に驚いたのか、レイカは顔が真っ赤になっている。
「ごめん、レイカちゃんの方がいい?」
今度はレイカが首を横に振る。
「いいえ、レイカでいいです。
ジンさんさえよければ、レイカって呼ばれたい」
俺はクスッと笑った。
こういうところが日本人の女の子って可愛らしい。
ジンさんさえよければって前置きが、めっちゃ可愛すぎるだろ。
レイカのおすすめの天ぷら御膳は本当に美味しかった。
蕎麦が白っぽい更科蕎麦で、冷たくて口触りがよくて夢中で食べた。
「こんな美味しいお蕎麦食べたの初めてだよ。
すごく感動してる」
俺のいいところは美味しいものは素直に大きな声で美味しいというところ。
子供の頃から、それに関しては両親や祖父母にいつも褒められた。
レイカは嬉しそうに頷いた。
この子も絶対いい子だなと、その笑顔を見て俺は確信する。



