JEWEL




「あー……っと、悪い。」


昨日失恋した女にいう言葉じゃなかったな…

そう反省しながら謝ると


「謝んないでくださいよー」


なんて、寂しげに笑う澪。

そんな表情させてしまった自分に嫌気が刺して


「えっ?」


引っ込むタイミングを見失なったかのように

スプーンを差し出していた澪の腕を掴んで

スプーンに乗るパフェをパクっと口に入れた。



「…やっぱ甘ぇな」


「………!!!」


俺の行動に、カッと顔を赤らめた澪。


「いいいい斎さん!!!??」


吃る澪に、思わず笑う。


「噛みすぎじゃね?」


「だだだだって!!!!」


パクパクと口を開け閉めしながら

間抜けな顔で俺を見る澪に

再び零れる笑み。



あぁ。

そうか。


こいつ、素直なんだ。


俺の周りにいる女達は

男の目を気にしすぎて

表情を作りすぎてて


一緒にいても、なんも楽しくねぇ。



だけど澪は


心が感じるままに

感情を顔に出すから


すげぇ、楽しいんだな。