JEWEL




俺の前に置かれた、モーニングセット。

それを見て、ふと気づく。


…澪、なんも頼んでねーじゃん。



「すみません」


戻ろうとしたウエイトレスを引き止めて

メニューを引き抜きある商品を指指した。


「これ、追加で」


「かしこまりました」



去って行くウエイトレスを見届けてから

澪が不思議そうに口を開いた


「何頼んだの?」


「別に。先食べるな」


「あ、うん。……って、先?」



キョトンとした澪に返事をせず

トーストにかじりつく。



…やっぱモーニングは

ファミレスより喫茶店のがうまいな。



そんなことを考えていると

再び戻ってきたウエイトレス。


「お待たせしました」


俺の意図をわかってくれたらしく

澪の前にそれを置いた。



「ミニチョコレートパフェになります」



「えっ、え?」



キョロキョロとする澪に代わって頭を下げると

下がるウエイトレス。


澪を見ると俺とパフェを見比べてて


「そーゆーの嫌い?」


尋ねると、横に首を振った。