JEWEL






そんな女をしばらく眺めていると

俺の視線が気になったのか


「…やっぱ欲しーんでしょ!」


目をキラキラさせて


「食べて食べて〜」


また俺にチョコを差し出した。



…この女の思考回路は

一体どーなってんだよ?


ガクっと肩を落としながら


「食べたかったら自分で持ってくるっつ―の…

お前見てただけだわ」


そう呟く。


すると目の前の女は


「なんで見るの?」


と首を傾げた。





なんで見るの?って…


「お前、阿保か。

こんな時間に腹減らしたサンタ服着た女が

金も持たずにコンビニに現れたら

不審過ぎて目が離せねぇだろがっ」



なんで俺はこんなことを

いちいち話してるんだろう…


自分自身にも呆れながら

そう言い放つと

女はキョロキョロと店内を見回し


「こんな時間だったの―!!??」


時計を見て叫んだ。