和装占い師君が明らかにただの占い師じゃない。


サビ付いたドアノブをひねる。

一回だけ行った古本屋の匂いがふわりと香る。

かなり暗い。

窓からうっすら光が差し込むくらい。

いつもの癖で電気スイッチを扉の近くで探してしまう。

あ、2年前も同じことをしてたな…。

結局電気スイッチがなかったのを思い出して、仕方なく倉庫の中に入る。

ドアを閉めるとさらに光源が減って暗くなる。

ひんやり。ただ、そとの心地いいひんやり具合を通り越して寒かった。

背筋が凍るっていう表現がふと頭に浮かぶ。

頭の中で寒さが怖さに変換されていく。この暗さと結びついて嫌な想像が始まる。

また、誰かに見られてるんじゃないか。

今か今かと待ち構えててわたしが隙を見せた瞬間に襲ってくるんじゃないか?

もしここで襲われたら証人も証拠もなくて…。

……絶好のチャンスだ。

わたしの恐怖がピークに至ったとき、目の前に黒い影が現れた。