手だけでも繋ごうよ


自分で言うのもなんだけど、何もしなくたってモテてきた。

でも正直、どの子もピンとこなかった。


新学期。

入学式で、新入生代表の宣誓で呼ばれた子。

血管が透けそうなくらい、色白な子。


「新入生代表、今野茉夏」

「はい」


内容なんて入ってこなかった。

いわゆる、ピンだった。

この子しかいない。

この子を守りたい。

ただそう思った。


のだが…接点なんてまるでない。

仕方ない、接点を作りに行こう。

昼休み、教室に行ってみた。

廊下の窓から、


「ね、窓際の茉夏ちゃんって子、呼んでくれない?」


当然のように、教室がざわついた。

特に女子。


「え、あー今野ですか?」

「あーそうそう、今野茉夏ちゃん」

「了解です」


その男子生徒は、彼は彼で緊張しながら茉夏ちゃんに話しかけていた。

茉夏ちゃんは立ち上がってこちらにやってきた。


「…どちら様ですか」

「3年の雲山蒼真!ねえ茉夏ちゃん、俺と付き合お」


教室がざわめいた。


「…中途半端な気持ちで付き合いたくないです。ごめんなさい」


そう言って席に戻ろうとした。


「ちょっと待って、分かった。昼休みと放課後、会いに来る。少しずつ仲良くなろ?」