ケーべのお話 ある指輪

その指輪は自分の主を探していました。
「良識のある真面目な方と出会えたらいいなあ・・・」
すると、金貨を持った少年がやってきました。
「この前、この金貨を商人に売って、お金に変えた筈だけど、いつの間にか僕の財布に入っていたんだね・・」
僕はこの前、金貨を拾って、詐欺師の男に騙されて奪われた後にも僕の元にこの金貨は帰ってきたんだね・・。
僕は、地面に指輪が落ちていたので、其れを拾うと、金貨が喋りました。
「やっと会えたね。ルミカ」
「私もやっと、お兄さんに出会えたわね・・」
指輪と金貨が喋りだしたので、僕は正直、驚いた・・・。
「お兄さんの主が見つかったのなら、私の主もこの子に決定ね」
「ああ、やっと妹と再会出来てはや200年だからね・・」
「え?金貨さんは、200年の間、ルミカさんと別れていたの?」
「そうなのよ。お兄さんを探すのに、私は色んな人たちと出会ったわね・・」
「まあ、大抵は悪意のある連中ばかりで、嫌な思い出が多かったね」
「それは私もよ、兄さん」
「・・・・・・・」
僕は二人の話を聞いて、気の毒だと思った・・。
「ねえ、君たちの新しい主を探そうよ」
「え?私たちの主は貴方では無いの?」
「うーーん、実はこの前、出会った占い師のケーベさんが『貴方が持っている金貨と指輪が再会したときは、新しい主と出会う事になるわ』って言っていたんだね」
「新しい主ね・・・」
ルミカさんは不機嫌な声で言いました。
「で、私たちの次の主って誰なの」
「それは僕に聞いてもわからないよ」
「そうねえ」
すると、水晶を持ったケーベさんがルミカさんに言いました。
「貴方と金貨さんの新しい主は、ルイさんっていう学生の方よ」
「え?この子じゃないの」
「知らない子だね・・・」
私はルイさんをルミカさんと金貨さんに紹介しました。
「えーと、初めまして私はルイです」
「なんか、悪戯っ子みたいねえ」
「ええ、以前は悪戯が酷い子だったけど、今は人の痛みが分かる様になったわ」
「えへへ」
「・・・・・・・」
私は、ケーベさんに摩訶不思議な出会いを紹介してくれました。
「ルミカちゃんと金貨君、此れから宜しくね」
「ええ、宜しくルイさん」
「ルイさん、僕を宜しく」
「えへへへ」
ルイさんはルミカさんを指に嵌めて、金貨君を財布に入れて、「じゃあね」と言って、私達と別れました。
「ねえ。ケーベさん、あの姉さん、頼りになるの?」
「ええ、勿論よ」
私は、ルイさんがルミカさんと金貨さんの力を借りて、人助けをする姿を水晶で確認しました。
彼女らのお話は別の機会に・・・。