モノクロームの15センチ

「・・・めっちゃくちゃ、美味しそうです」
目で食べられる気がする。
「それはよかった、食べて食べてー」
「はいっ」

フォークとスプーンを器用に使って、私はパスタを食べた。
「・・・ん?」
なんだろう、この違和感。

「・・・なんか、あ、甘い?」
「あ」
紺さんは、手前の白い粉を見た。
「…あ、ごめん、ちょっとだけ砂糖入ったのかも」

あ、そうなのか。
確かに、ゆでる前に何か、水に溶かすように白い粉を入れていたような気がする。
あれが、砂糖だったわけだ。

「いや、いいですよ」
私なんて料理のことなんて全然わからない。
ていうか、文句を言える立場でもないし。
それに、そんなに甘味がきついわけでもない。

「私毎日冷食なので、なんていうか人間味があって嬉しいです」
「…?」
あ、言葉選びミスったか。
私は焦って口にすべてかきこむ。

うう、だって本当のこと。
ご飯は作れないから、冷凍食品、略して冷食。
「ふーん」
紺さんは、なぜか面白そうな顔で見る。

え、え、言葉の選択ミスったんじゃないの?と私が見ていると、紺さんが言った。
「じゃ、ここにいる限り、冷食じゃなくて俺のご飯を食べさせてあげるよ」
…。
「あ、ありがとうございますです?」
しどろもどろになり、またしても私は、顔を赤らめた。

紺さんの居場所はここじゃなくて、執事カフェじゃありませんか?うん、たぶんそうだ。