モノクロームの15センチ


「・・・ていうか、ここ、俺ん家の別荘なのに、なんでらいらさんがいるの?」
「・・・え、別荘?」
別荘なんて、本当に存在するんだ。
「すごいですね、とても広くて綺麗な大理石の壁に・・・」

うん?
「でしょ。うまくいけば、廊下でボーリングできる」
紺さんが、ボールを投げるふりをする。
「そうですね」
あれ?

まって、ここが紺さんの家の別荘なら。
「え、じゃあ、ここから出る方法とか、分かりますよね?」

私がかなり問い詰める形で問いただすと、紺さんは、直立した後、首をかしげた。
「え?」
「いや、ごめん。俺もここに来たの、今日合わせて2回目とかでさあ」

えっ。

「そ、そうなんですか?」
「うん、それも小さい頃だから記憶ない」

私は、へなへなと倒れ込んだ。
「え、ら、ららららいらさん!?」
「・・・え、じゃあ私たち、どうすれば・・・」
「ま、まあ、それは追々考えれば・・・」

ひいい、もう、あんな長い廊下、歩きたくない!
「ど、どうにかして思い出してくださいよ。ほら、あるじゃないですか」
「何が?」
「例えば、頭をぶつけるとか、色々ですよ」

言いたいことは口に出かかっているんだけれど、上手く言えない。
要するに、私は、衝撃を与えれば記憶が蘇るのでは?ということを提案しているのです。
ほら、テレビが叩いたら治るみたいに、頭も叩けば治るんですよ。

「・・・それはちょっと・・・」
なんで?どうして?

あ、もしや。

「・・・怖いんですか?」
「怖くない!」
紺さんがムキになっていうものだから、私は笑ってしまった。