「・・・ていうか、ここ、俺ん家の別荘なのに、なんでらいらさんがいるの?」
「・・・え、別荘?」
別荘なんて、本当に存在するんだ。
「すごいですね、とても広くて綺麗な大理石の壁に・・・」
うん?
「でしょ。うまくいけば、廊下でボーリングできる」
紺さんが、ボールを投げるふりをする。
「そうですね」
あれ?
まって、ここが紺さんの家の別荘なら。
「え、じゃあ、ここから出る方法とか、分かりますよね?」
私がかなり問い詰める形で問いただすと、紺さんは、直立した後、首をかしげた。
「え?」
「いや、ごめん。俺もここに来たの、今日合わせて2回目とかでさあ」
えっ。
「そ、そうなんですか?」
「うん、それも小さい頃だから記憶ない」
私は、へなへなと倒れ込んだ。
「え、ら、ららららいらさん!?」
「・・・え、じゃあ私たち、どうすれば・・・」
「ま、まあ、それは追々考えれば・・・」
ひいい、もう、あんな長い廊下、歩きたくない!
「ど、どうにかして思い出してくださいよ。ほら、あるじゃないですか」
「何が?」
「例えば、頭をぶつけるとか、色々ですよ」
言いたいことは口に出かかっているんだけれど、上手く言えない。
要するに、私は、衝撃を与えれば記憶が蘇るのでは?ということを提案しているのです。
ほら、テレビが叩いたら治るみたいに、頭も叩けば治るんですよ。
「・・・それはちょっと・・・」
なんで?どうして?
あ、もしや。
「・・・怖いんですか?」
「怖くない!」
紺さんがムキになっていうものだから、私は笑ってしまった。

