真知子は心からの笑顔で愛斗にもう一度お礼を言うと、真代と並んでその場を後にした。
愛斗は亜蘭と共に、近くの昔ながらのラーメン屋へ足を運んだ。熱い味噌ラーメンをすすりながら、「まさかあんな形でお会いできるなんて、夢みたいだった」とぽつりと漏らすと、亜蘭は「これがきっかけで、またお話しできるようになるといいね」と優しく背中を押してくれた。
そして次の日——愛斗はいつもよりずっと早く目を覚まし、胸が高鳴っているのを感じていた。
いつもは仕事に向かうときも落ち着いているのに、今日は足取りも軽く、思わず口元が緩んでしまう。
それもそのはず、今日は憧れの渡辺真知子さんと、歌謡コンサートの収録で共演する日なのだ。
愛斗はウキウキしながらテレビ局へと向かった。
局に到着し、楽屋へ続く廊下を歩いていると、先ほど別れたばかりの真知子と真代が、こちらを待っていたかのように立っていた。
「昨日は本当に、ありがとうございました。おかげで無事に帰ることができました」
真知子は穏やかな笑顔で、改めて丁寧にお礼を言ってくれた。
「いえ、本当に何もなかったですか? それが一番安心です」愛斗は安堵したように答え、少し考えてから続けた。「実は、また狙われたり、嫌がらせを受けたりすることがあったらと思って……。知り合いに、こういう相談なら無料で弁護を引き受けてくれる弁護士さんがいるんです。いつでも頼ってください」
真知子は真剣に頷き、「それは心強いわ。ありがとう、ぜひお願いします」と快諾してくれた。
その場で二人は連絡先を交換し、少しだけ言葉を交わしてから、それぞれの楽屋へと戻った。
楽屋に戻った愛斗は、スマートフォンに表示された真知子の名前を見て、思わずにっこりと笑みがこぼれた。「連絡先、交換できた……!」胸がいっぱいになりながら、スタッフの声に応えてメイクとヘアセット、衣装替えへと向かう。いつも以上に気合いが入り、鏡に映る自分の姿にも、自然と自信が湧いてくる。
準備が整い、スタジオへ入ると、司会の谷原章介さんとアシスタントの石橋さんが、出演者たちを迎えて挨拶を交わした。
収録が始まり、まずは真知子と真代のトークコーナー。愛斗はステージの袖から、二人の穏やかな掛け合いを、にやにやしながら聞き入っていた。
トークが終わると、庄野真代が軽快な『飛んでイスタンブール』を、渡辺真知子が心に染みる『迷い道』を、それぞれ見事に歌い上げた。他の出演者たちも素晴らしい歌声を披露し、スタジオは温かな拍手に包まれた。
そして愛斗の番が回ってくる。
谷原さんと石橋さんが声をかけてくれ、少しだけトークを交わす。
その様子を、真知子と真代が笑顔で見守り、時折頷いてくれているのがわかり、愛斗の緊張はすっかり消え、思い切り歌うことができた。『スーダラ節』を伸びやかに、力強く歌い上げると、大きな拍手が沸き起こった。
全員の歌唱が終わり、収録は無事に終了。出演者全員で集合写真を撮ることになり、愛斗は真知子と並んで立ち、二人だけのショットも撮ってもらった。
愛斗が楽屋へ戻ろうと歩き出すと、真知子がそっと近づいてきて、柔らかく声をかけた。
「明日も、よろしくお願いしますね」
「はい! こちらこそ、よろしくお願いします!」愛斗は大きく頷き、笑顔で返事をした。
その後、楽屋で着替えて帰宅した愛斗は、ベッドの上に座り込み、さっき撮った集合写真を開いては、何度も見返して嬉しそうに微笑む。「明日も会えるんだ……」「写真、本当に宝物だ」と、小さくつぶやきながら、新しい出会いの喜びを、ゆっくりと噛み締めていた。
愛斗は亜蘭と共に、近くの昔ながらのラーメン屋へ足を運んだ。熱い味噌ラーメンをすすりながら、「まさかあんな形でお会いできるなんて、夢みたいだった」とぽつりと漏らすと、亜蘭は「これがきっかけで、またお話しできるようになるといいね」と優しく背中を押してくれた。
そして次の日——愛斗はいつもよりずっと早く目を覚まし、胸が高鳴っているのを感じていた。
いつもは仕事に向かうときも落ち着いているのに、今日は足取りも軽く、思わず口元が緩んでしまう。
それもそのはず、今日は憧れの渡辺真知子さんと、歌謡コンサートの収録で共演する日なのだ。
愛斗はウキウキしながらテレビ局へと向かった。
局に到着し、楽屋へ続く廊下を歩いていると、先ほど別れたばかりの真知子と真代が、こちらを待っていたかのように立っていた。
「昨日は本当に、ありがとうございました。おかげで無事に帰ることができました」
真知子は穏やかな笑顔で、改めて丁寧にお礼を言ってくれた。
「いえ、本当に何もなかったですか? それが一番安心です」愛斗は安堵したように答え、少し考えてから続けた。「実は、また狙われたり、嫌がらせを受けたりすることがあったらと思って……。知り合いに、こういう相談なら無料で弁護を引き受けてくれる弁護士さんがいるんです。いつでも頼ってください」
真知子は真剣に頷き、「それは心強いわ。ありがとう、ぜひお願いします」と快諾してくれた。
その場で二人は連絡先を交換し、少しだけ言葉を交わしてから、それぞれの楽屋へと戻った。
楽屋に戻った愛斗は、スマートフォンに表示された真知子の名前を見て、思わずにっこりと笑みがこぼれた。「連絡先、交換できた……!」胸がいっぱいになりながら、スタッフの声に応えてメイクとヘアセット、衣装替えへと向かう。いつも以上に気合いが入り、鏡に映る自分の姿にも、自然と自信が湧いてくる。
準備が整い、スタジオへ入ると、司会の谷原章介さんとアシスタントの石橋さんが、出演者たちを迎えて挨拶を交わした。
収録が始まり、まずは真知子と真代のトークコーナー。愛斗はステージの袖から、二人の穏やかな掛け合いを、にやにやしながら聞き入っていた。
トークが終わると、庄野真代が軽快な『飛んでイスタンブール』を、渡辺真知子が心に染みる『迷い道』を、それぞれ見事に歌い上げた。他の出演者たちも素晴らしい歌声を披露し、スタジオは温かな拍手に包まれた。
そして愛斗の番が回ってくる。
谷原さんと石橋さんが声をかけてくれ、少しだけトークを交わす。
その様子を、真知子と真代が笑顔で見守り、時折頷いてくれているのがわかり、愛斗の緊張はすっかり消え、思い切り歌うことができた。『スーダラ節』を伸びやかに、力強く歌い上げると、大きな拍手が沸き起こった。
全員の歌唱が終わり、収録は無事に終了。出演者全員で集合写真を撮ることになり、愛斗は真知子と並んで立ち、二人だけのショットも撮ってもらった。
愛斗が楽屋へ戻ろうと歩き出すと、真知子がそっと近づいてきて、柔らかく声をかけた。
「明日も、よろしくお願いしますね」
「はい! こちらこそ、よろしくお願いします!」愛斗は大きく頷き、笑顔で返事をした。
その後、楽屋で着替えて帰宅した愛斗は、ベッドの上に座り込み、さっき撮った集合写真を開いては、何度も見返して嬉しそうに微笑む。「明日も会えるんだ……」「写真、本当に宝物だ」と、小さくつぶやきながら、新しい出会いの喜びを、ゆっくりと噛み締めていた。

